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好みのコーヒーに出会おう!

こんにちは!焙煎担当の拓未です!
今日は自分好みのコーヒーに出会うコツをご紹介します!

このコーヒーはなんだか美味しいな、いまいち美味しくないな、と日常で思うことありますよね。

あそこで飲んだコーヒーはこんなに美味しいのに、今日のはぜんぜん美味しくない、なんでだろう、とコーヒーに興味を持ち始めたころの私も不思議に感じました。右も左も分からずにとにかくいろんなコーヒーを飲んで、淹れて、焙煎してみたのを覚えています。

せっかく飲むなら美味しい、自分好みのものを飲みたいですよね。

ブラックコーヒーの味わいを決める要因はたくさんあります。
国内に入ってきた段階での素材、焙煎、焙煎してからの鮮度、抽出の4つに大別できるかなと思います。
(飲む場面など、心理的なものも大きいですが、長くなるので今回は割愛させていただきます。)

どれもそれぞれ大事なのですが、好みのコーヒーに出会うための大きな要因は「焙煎」の度合だと思います。
好みの焙煎度合に出会えればコーヒーのある生活がきっと楽しくなります!

(↑焙煎前のコーヒー生豆)

(↑焙煎後のコーヒー豆)

【焙煎】
コーヒーノキという植物になる木の実から真ん中に入っている種を取り出したものがコーヒー生豆です。
生豆を加熱・乾燥(=焙煎)させると私たちが飲んでいる茶色っぽいコーヒー豆が出来上がります。
その生豆にどのくらい加熱しているかの度合のことを「焙煎度合」という言葉を使って表します。

しゃきしゃきの玉ねぎと飴色玉ねぎ、ステーキのレアとウェルダンのようなものです。素材の特徴や、使う料理、好みによって焼き具合を調整しますよね。
キーマカレーに使うたまねぎは飴色までしっかり火を通すし、とびっきり上質な和牛のステーキは火を入れすぎないようにしますね。

コーヒーの焙煎もそれに似た認識でほとんど間違いないと思います。
浅煎りで魅力を伝えたい豆、深煎りで輝く豆など、素材の特徴を見極めて、お客様に好んでいただけるように焙煎で味わいを調整します。

(↑焙煎機の熱源)

【焙煎度合】
焙煎についてイメージできたでしょうか。
コーヒーでは熱を入れすぎていないものを浅煎り、たくさん熱を与えたものを深煎りと言います。
浅煎りの豆は茶色っぽい、明るい色をしています。深く焙煎していくとだんだん濃く、黒い色になっていきます。
焙煎度合はグラデーションで、浅め、やや深め、のような言い方をすることも少なくないです。

〈浅煎り・ライトロースト〉
・酸味強め
・苦味弱め
・さっぱり軽いボディ感・口当たり
・豆ごとの個性がはっきり味わいやすい。

〈深煎り・ダークロースト〉
・酸味弱め
・苦味強め
・しっかりとした重めのボディ感・口当たり
・深煎りらしい甘さや苦さが加わる。豆ごとの個性は薄れる。

どこまで火を入れたものが浅煎り、深煎りという共通のルールのようなものはありません。
あくまでそのお店の商品ラインナップの中での浅い、深いという相対的なものです。
なので、A店の深煎りがB店の浅煎りよりも浅いというようなことも見受けられます。

ちなみに私たちはライトロースト、スタンダードロースト、ダークローストの三段階で焙煎度合を表記しています。
豆の銘柄名よりも焙煎度合から味わいの大まかな方向性が読みとれます。
コーヒー屋さんによっては焙煎度合を表記していなかったりもしますが、豆の色を見ればざっくりと予測できますし、スタッフの方に焙煎度合を聞いたら教えてくれるはずです。

「前にこのお店で飲んだ○○という銘柄が好きだったんだけど、他におすすめはありますか」と聞かれたらコーヒー屋さんは喜んで案内してくれますし、好みのコーヒーに出会える可能性がグッと上がります。

(↑左から順に焙煎度合の浅いものから深いもの。色が全然違います。)

【酸味と苦味】
人間が生まれ持った性質として酸味と苦味は美味しいと感じないようにできています。
酸味は腐敗や未熟、苦味は毒だということを本能的に感じ取り、口に入れてはまずいと感じるそうです。

大人になるに連れてビールやコーヒー、ピクルスや梅干しなど酸味や苦味があるものを食べても大丈夫だという食の経験が積み重なり、酸味も苦味も楽しめるようになっていきます。
ですので、個人の食の経験によって酸味と苦味の許容度があるのは極めて自然なことなのです。
(ちなみに私はレモンをそのまま食べて楽しめるのですが、周りからは不審な目で見られます。酸味の許容度には個人差があります。。)

浅煎りをたくさん飲んでいると、酸味優位の味わいの中の差に気が付けるようになったり、深煎りをたくさん飲んでいると、苦み優位の味わいの中で、銘柄ごとの差を楽しめるようになったりします。
コーヒーに限らず、ウイスキーなんかにも言われる、後天的味覚と呼ばれているものですね。

【酸っぱいと酸味】
コーヒーを淹れてからしばらく放置したものを温めなおしたりすると強烈に酸っぱく感じます。
ホットプレートで延々と保温されていたものや、古くなったコーヒー豆で淹れたコーヒーも強烈に酸っぱくなります。
この長時間放置した酸化による酸っぱさはトラウマになるほどネガティブな味で、とにかく「酸味のないやつをください」とオーダーしたくなるのもうなずけます。

酸味が苦手、と言うお客様に浅めのコーヒーをお出しして「これなら飲める、美味しい」と気づいていただいたことは少なくありません。酸化の酸っぱさと、甘さを伴った良質なコーヒーの酸味は別物なので、少し浅めのコーヒーにも先入観をあまり持たずに試してみてはいかがでしょうか。

苦味の全くないコーヒーも、酸味の全くないコーヒーも存在しません。僅かなので感じにくいですが、浅煎りにも苦味はあるし、深煎りにも酸味はあります。お酢をかけたラーメンや、レモンを絞ったからあげも、酸味があるとはあまり感じませんが食べやすくなりますね。

焙煎度合いについて書こうと思ったのですが気が付いたら酸味について長々書いてしまいました。。「酸味のないコーヒー」を選んでいる方の中にも実は深めの焙煎よりも浅めの焙煎のほうが好きな方もいるかも。酸味が強すぎて飲みにくいと感じたらお砂糖を、苦味が強すぎたら牛乳を入れて飲んでみるのがおすすめです。

ぜひ焙煎度合を気にしながら色んなコーヒーを試してみてくださいね!