
おうちアイスコーヒーのすすめ
こんにちは!
焙煎所のある宮城県、気仙沼もじめじめしてきました。コーヒーの焙煎担当の拓未です。
家でドリッパーなどの器具をそろえたらまずはホットコーヒーを淹れてみますよね。
ホットのブラックコーヒーは香り、質感、甘さの特徴をしっかりと感じられます。豆の個性をバランス良く感じられる飲み方はホットだと思います。
そうは言っても暖かくなってくると冷たいコーヒーも美味しいですね。特に暑い日は私もアイスコーヒーをよく飲みます。
家でコーヒーメーカーやハンドドリップでホットコーヒーは楽しんでいるけど、アイスコーヒーは作っていない、という方も多いのではないでしょうか。今回の記事が助けになれば嬉しいです。
アイスコーヒーの作り方はいくつかあります。
①濃いホットコーヒーに氷を入れて薄め、冷やす。
②ホットコーヒーに何も加えずに冷やす。
③お湯ではなく、冷たい水でコーヒーを抽出する。
色々な作り方がありますが、以上の3つに分けられます。順番に紹介していきます。

-----①濃いホットコーヒーに氷を入れて薄め、冷やす-----
日本の家庭で一番採用されている方法だと思います。たっぷりの氷の入ったグラスに濃いドリップコーヒーを注ぎ入れて急冷します。氷の入ったコーヒーサーバーの上からドリップしてもいいですね。
濃いコーヒーというのがミソです。氷が解けて、水が加わり、コーヒーが薄まるので、その分濃く作ります。
コーヒーは抽出するのに使う豆とお湯の量の割合がとても重要です。多めのコーヒー粉に少なめのお湯を使いましょう。
通常ドリップコーヒーを淹れるときは豆の重さ1に対してお湯の重さが16前後です。私たちのカフェでは豆15gにお湯250gでホットのドリップコーヒーを作っています。(豆1:お湯16.6の割合)
アイスは氷で薄まるため、ホットの倍くらい濃く作ります。豆1に対してお湯8前後になりますね。私たちのカフェでは豆20gにお湯150gでアイスコーヒーを作っています。(豆1:お湯7.5の割合)
豆とお湯の割合だけを変えると、味わいのバランスが取れないことがあります。成分が出し切れないと、酸っぱく、水っぽいアイスコーヒーになることが多いです。少ないお湯の量でしっかりコーヒーの成分が出し切れるように以下のことに気を付けましょう。
・ゆっくり、細くお湯を注ぐ
・一度に注ぐお湯の量を減らして、注ぐ回数を増やす。
・1目盛りくらいコーヒーミルの挽き目を細かくする。
濃く淹れるのに少しコツが必要ですが、この淹れ方の良いところは飲みたいときにすぐに飲めることですね。しっかりと成分を出し切り、濃くコーヒーを淹れましょう!
ドリップだけでなく、フレンチプレスやエスプレッソなど他の器具でも作れます。エアロプレスを使って、さっぱりした銘柄のコーヒーで作るアイスコーヒーはとっても大好きです。

-----②ホットコーヒーに何も加えずに冷やす-----
こちらはシンプル!
まずはいつも通りホットコーヒーを淹れます。その後、粗熱を取ります。氷水の入ったボウルにコーヒーサーバーを漬けたり、蓋をして流水にさらして粗熱を取ってもいいですね。そのあとは冷蔵庫に入れてしっかり冷やします。
ホット同様に淹れるので、少ない粉量でしっかり味が出しやすく、味わいが安定します。家の冷蔵庫に入れておけば2日くらいなら味の劣化も少ないのでまとめて作っておくのも良いですね。
ホットから氷水に漬けたりと、温度変化が大きいので、丈夫な容器を使ってくださいね。
-----③お湯ではなく、冷たい水でコーヒーを抽出する-----
この淹れ方は粉と水をセットしておくだけの手軽さがウリです!「水出し」や「コールドブリュー」と呼ばれています。
コーヒー粉と常温のお水をサーバーに入れて、1晩おいておきます。翌朝になったら紙で濾して出来上がり!
紙フィルターをセットしたドリッパーを別のサーバーやボトルにセットして、漬けておいたコーヒーを流し、濾します。
まずは通常のホットコーヒーと同じ豆の挽き目で、豆と水の割合で試してみるのが良いでしょう。ex.)30gの豆に500gのお水

コーヒー粉を出汁パックのようなものにくるんで、麦茶のようにもっと手軽に抽出することもできます。
私たちもパック詰めにしたものを販売していますが、粉の量が計ってあって、粉が漏れないようにパックになっているので出来上がったコーヒーを濾す必要もなく、パックを取り出すだけなので手軽で、毎年とても好評をいただいています。
実は販売している水出しコーヒーは水出しで美味しく飲める味わいになるように毎年新しいブレンドを作っています。
2022年はお酒やフルーツのような香りが個性的で、飲んでいて楽しくなるようなブレンドです。ダブルファーメンテーションという変わった手間暇のかかった作りの「雲南」を主役に、甘い味わいのナチュラルという精製方法のコーヒーだけをブレンドしています。
お水ではなく、牛乳で漬け込んだものを「ミルクブリュー」と言い、濃厚で美味しいミルクコーヒーが楽しめます。水は常温でも大丈夫ですが、ミルクは常温ではなく、きちんと冷やして使いましょうね。

人間の舌は冷たいものからは甘さを感じづらくできています。ぬるくなったコーラやスポーツドリンクが甘すぎると感じたことはみなさんあるのではないでしょうか。
そして、甘さが強いと酸味が目立ちにくく感じられます。酸味の強い柑橘ですが、オレンジジュースやレモネードはしっかり甘いので、酸味がきつくないですよね。
ですので、アイスコーヒーは飲みやすいようにしっかり甘さを出して、酸味を目立たせすぎないのが美味しく作るポイントです。コーヒーからは様々な質の甘さが感じられます。ほとんどの場合、コーヒーが口の中からなくなるときの後味に甘さを探してみると見つかりやすいと思います。
コーヒーの酸味は抽出前半に、甘さは比較的後半に出てきます。
特に①の淹れ方では使う豆に対して、お湯が少ないので、コーヒーの甘さを出し切る前に抽出が終わりがちです。ゆっくり注いだり、細かい挽き目の粉を使って、しっかり甘さまで成分を引き出してあげましょう。
どの作り方を試してみますか?
ちなみに私は家では①の作り方で飲みたいときに1杯分作って、たまに②や③の方法でまとめて冷蔵庫に作り置いています。
小難しいことを書いてしまいたしたが、いずれの作り方も美味しくアイスコーヒーが作れると思います。ライフスタイルや好みに合わせて選んでみてくださいね。